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本書は、生物を統一的に理解するための新しい考え方の生物科学教科書であり、「ゲノムビッグデータは生物をどう設計しているか?」の疑問に正面から答える初めての本である。従来型の生物科学教科書の内容をほとんど含みつつ、個別課題を関係付ける物理的考察にも触れている。新しい生物科学を理解したい専門外の人、一般の人も理解できるように心がけて執筆した。
本編は5部10章からなり、半年の講義に使えるようにコンパクトにまとめている。「生物科学のオープンプロブレム(未解決問題)」を解決するための指針を示す構成とした。
・第1部では、生物の特徴を全体論的にとらえ、解決すべきオープンプロブレムを提起。
・第2部では、生体分子集合体(生体膜とタンパク質)の構造、性質、相互作用などを説明。
・第3部では、生物の設計図について、DNA塩基配列の情報処理に直接関係するプロセスと、それを間接的に支えるプロセスに分けて説明。
・第4部では、生物が生きていくために非常に重要な2つのプロセス(シグナル伝達および分子認識メカニズムと、酵素作用および生体におけるエネルギー変換)について説明。
・第5部では、ゲノム配列がどのように形成されてきたかについて考察。ビッグデータの解析結果を示しつつ、「進化」、「タンパク質の構造形成」、「医薬応用」についての考え方を説明。