行動情報処理 ―自動運転システムとの共生を目指して―(共立スマートセレクション 6)

武田 一哉 著, 土井 美和子 コーディネーター

1,760円(税込)

共立出版

 行動情報処理は、人間の行動に伴う様々な情報をセンサで取得し、データとして解析することで、将来の行動を予測したり、行動に内在する個性・状態・意識を理解したりする技術です。
 本書では著者のこれまでの研究のうち、IT企業と共同で開発を進めた、振り込め詐欺通話を検出する技術を紹介した後、自動車の運転行動に関する研究をメインテーマとして取り上げます。
 第1章では、行動情報処理とはどのような技術なのかを概説します。第2章では、行動情報処理に必要なデータ分析方法の数理的な基礎知識を解説します。第3章では、行動の個性(=その人らしさ)を特徴づける量の計算方法を解説します。第4章では、行動を予測する方法を解説します。第5章と第6章では、人間の行動から感情や状態を推定する方法を解説します。
 本書で取り上げる運転行動の研究は、アクセルやブレーキペダルの踏み方からドライバーを識別する、ドライバーによる車間距離や速度の違いを予想する、車線変更の際の視線方向やペダル操作から危険運転を検出する、といった「人間の運転をコンピューターがどのように理解するか」に関する研究であり、今後自動運転が社会に普及するために、欠くことのできない研究です。