微分積分(共立講座 数学探検 1)

吉田 伸生 著, 新井 仁之 編, 小林 俊行 編, 斎藤 毅 編, 吉田 朋広 編

2,640円(税込)

共立出版

 本書は大学の理科系学部生を対象とした微分積分学入門である。極限の厳密な定義から出発し、一変数の微積分を丁寧に解説した後、多変数の微積分の基礎まで進む。本書の全体的な方針は次のように要約できる:

 抽象的な概念や定理が出てくるごとに、それらの意味を、具体例を通じ一歩一歩踏み固めながら進む。また、練習問題を通じ、読者自らが頭と手を動かし、概念や定理の使い方に慣れ親しめるようにする。

 また、本書の特徴として次の点を挙げる:

 厳密性、一般性をできるだけ確保すると同時に、抽象論に偏らず、できるだけ早い段階で具体例、特に指数関数、三角関数などの代表的初等関数を導入し、それらを丁寧に論じる。

 厳密な論理の美しさが分かりやすく伝わるように工夫すると同時に、応用分野との関連、微積分学の歴史にも適宜触れる。初学者から教員まで、様々な目的で本書を手にとられる方々が、それぞれの立場で楽しんで頂ける本である。