森林と物質循環(森林科学シリーズ 8)

柴田 英昭 編

3,630円(税込)

共立出版

生態系の物質循環を取り扱う学問分野は「生物地球化学(biogeochemistry)」と呼ばれ、生物と環境(非生物)をめぐる物質の動きや変化、相互作用を明らかにすることで、生態系の仕組みや環境保全機能を理解することに寄与している。本書では森林の物質循環、すなわち生物地球化学プロセスについて取り扱う。その中心的な役割を担うのは、樹木、土壌、微生物、その他の動植物であり、その場の気象や地形、地質条件などによって特有の生物地球化学プロセスを形成している。本書を通読することにより、さまざまな環境変動下において森林生態系の物質循環がどのような仕組みで成り立っているのかを多角的に理解し、今後の持続的な森林管理や環境機能保全に向けた取り組みがいっそう進むことを願う。