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本書では情報システムの開発ライフサイクルについてユーザの立場から、基本的な要素技術の演習を通して体験しながら学ぶ。情報システムのユーザにとって役立つシステムのデザインを実現するために、ユーザが情報システム開発者とのコミュニケーションができることを目標としている。情報システム開発プロセスを学ぶ学生はもちろん、情報システム開発の初心者や企業の情報システムの利用者等を対象としている。
情報システムは経営システムにおける情報を扱い、その支配的な役割はますます大きくなっている。このような中で、ビジネスと情報システムのつながりを理解するためには、情報システムの個別の開発技法のみを習得するだけでは経営課題に適合した情報システムの開発を行うことはできない。経営課題を考えるためのアプローチでは、経営システムと融合したICTを構築し、経営システムの視点からの情報システムのデザインを志向していくことが重要である。そのためには、情報システム開発を実際に行う者には経営システムのどのような機能を情報システムによって実現するのかという視点が求められ、情報システムのユーザ、発注者においても情報システムのライフサイクルと開発プロセスの概要を理解した上で、システム開発者とのコミュニケーションをすることが必要である。
仮想的なWEB販売会社の業務改善を例題にして、企業の業務プロセスの分析から、情報システムへの要求仕様の定義、システムの設計、プログラミング、テスト、および運用に至るまでの企業の情報システム開発過程の主なステップを実際の演習を通じて解説し、初心者が情報システム開発のプロセス、システムライフサイクルの基本事項を実務的な側面から体験できるように構成されている。