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オイラーの解析学三部作の一つ、『積分計算教程』(全3巻)の内容は微分方程式の解法理論となっている.全体として今日の微分方程式論の原型が提示されているが、この中にはおびただしい数の微分方程式の実例が含まれている。その多くはオイラー自身が作成したもので、形状も複雑なうえに非常に難解なものも数多く含まれており、しかも詳細な解答を試みている。これらは単なる練習問題ではなく、一つ一つ個性があり、個々の具体例そのものが理論を語っている。
本書では、好評を博した『古典的難問に学ぶ微分積分』と同様の方針で、オイラーの難問を通して、微分方程式を解説していく。問題の趣旨を把握したうえで解答を読むことによって、他のテキストに載っているような微分方程式の問題を解く力を身につけることができる。さらに、微分方程式論という解析学の領域を構築しようとしたオイラーの心情にも迫り得る。