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正則関数とは、複素平面上のある領域内の全ての点において複素微分可能な関数のことであり、複素関数論に於いて非常に重要な役割を果たす関数の1つである。
本書はまず、複素数・複素平面、級数の収束といった基礎知識の復習から始める。その後、簡単な複素関数から正則関数の導入へ歩を進め、正則関数に関する様々なトピック(グリーンの公式、リュービルの定理、一致の定理、最大値の原理など)を取り上げる。
最後に発展的内容への案内を配することで、更に深い領域の学習への橋渡しにも配慮した。複素関数論に関する学習を始めるための第一歩として優れた1冊である。
なお、同じく複素関数論に於いて重要な役割をもつ関数に「有理型関数」が挙げられるが、これは同著者によるシリーズ37巻『有理型関数』で詳しく説明する。
両書を併用することで、複素関数論のより広い知識を得ることができるだろう。