高次元の統計学(統計学One Point 11)

青嶋 誠 著, 矢田 和善 著

2,420円(税込)

共立出版

 高次元統計解析は、高次元データを解析するための新しい統計学です。本書は、その高次元統計解析に関する本邦初の解説書です。学部3、4年生から大学院生、そして技術者や研究者を対象に、高次元の統計学へといざなう、待望の入門書です。
 高次元データを扱うには、これまでの統計学にあった多変量解析や機械学習とは異なる、新しい発想が必要となります。そこで考案されたのが、高次元統計解析です。本書は、初学者にも親しみやすい内容で、高次元統計解析の基本的な考え方が学べ、高次元の統計学のイメージが掴めるように工夫されています。高次元ならではの問題点や、それを解決するための手法が、分かりやすく解説されています。
 本書の特長をワンポイントあげるとすれば、内容のオリジナリティーにあります。例えば、一般に高次元データを扱うときには、とかく次元の呪いをすぐにでも回避したくなるものです。しかし、本書では、高次元データの特徴を理論的に捉えて、高次元空間に浮かび上がるパターンを見出すことから始めます。遠回りのように見えるかもしれませんが、この前処理こそが、少ない標本数であっても高次元データなどのビッグデータに高精度で高速な解析を可能にしてくれる、本書オリジナルの極意となっています。
 本書『高次元の統計学』は、高次元統計解析の入門として、必携の書といえるでしょう。