社会の起源 ―動物における群れの意味―(ブレインサイエンス・レクチャー 6)

菊水 健史 著, 市川 眞澄 編

3,520円(税込)

共立出版

本書では、動物が群れて、社会を形成する仕組みをひも解いていく。群れの基本形が家族によることから、オスメスの関係性がどのように成り立つのか、そして生まれた仔をどのように擁護するのか、という観点から個体間の関係を見直し、その関係がいかに集団に発展していくか、という点に着目し解説する。最終的には生物としての「ヒト」の特性にまで言及する。私たちも人間であると同時に、他の動物と同じように、自然の中で共生のしくみを作り出してきた生物学的な「ヒト」でもある。その一部は哺乳類など他の動物と同じ機能を有し、また一部はヒト特異的でもある。私たち人間が「ヒト」として存在してきたことも、「集団」を理解することによって、その一端が解けるだろう。

また、本書では異種間による集団の形成に関しても触れている。異種間の集団としてヒトとイヌを取り上げ、詳しく解説する。