分散システム 第2版(未来へつなぐ デジタルシリーズ 31)

水野 忠則 監修, 石田 賢治 著, 小林 真也 著, 佐藤 文明 著, 中條 直也 著, 寺島 美昭 著, 南角 茂樹 著, 宮内 直人 著, 山口 弘純 著, 山下 昭裕 著, 水野 忠則 著

3,190円(税込)

共立出版

 マイクロエレクトロニクスの発展によって、コンピュータがますます高性能、低価格、小型化し、世の中至る所にコンピュータが存在する「ユビキタスコンピューティング」、また、地球上どこにでも浸透して存在を気にする必要がない「パーベイシブコンピューティング」の時代が到来した。現在のコンピュータの代表であるパソコン、タブレットコンピュータ、そして、ほとんどの人が利用しているスマホ、それらが、ネットワークを介して、Webサーバなどと、それぞれが有機的に関係しつつ、統合的にシステムを形作っており、これらの基本となる技術が、本書で述べる分散システムである。
 分散システムは、コンピュータとネットワークの両者を統合化するための技術であり、本来1台単独で動いていたコンピュータをネットワークで結び付けようとするものである。それも単に回線で結び付けるものでなく、複数のコンピュータを相互に有機的に結び付け、全体が巨大な情報システムとして動作させるものである。このような分散システムを実現するためには、分散システムアーキテクチャ、プロセス、クライアントサーバ、通信、名前付け、時計と同期、フォールトトレラント性、セキュリティ、分散ファイル、オブジェクト、分散Webシステム、パーベイシブシステム、分散組み込みシステム、密結合型分散システムなど各種の新しい技術が必要となる。これら技術を本書ではわかりやすく、かつ親切に説明する。
 第2版にあたっては、初版刊行時からの技術革新を踏まえ記述内容のアップデート、また新たに分散システムの事例(ファクトリーオートメーション、車載電子システム、電力通信システムとスマートメーター)を紹介する第15章を新設した。