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脳は多様なリズムが共存しながら、多くのネットワークでさまざまな部分が結び合わされている。前頭葉は一つの統合されたものというより、多数のネットワークが時空間的に複雑に連携したものとして考えることができ、脳が他の体の部分に比べとんでもなく大きなエネルギーを使う組織であることもうなずける。このような脳の新しいとらえ方に基づいて前頭葉のはたらきを解説したのが本書である。前頭葉は、身体、注意、外界の認知、自己や社会の認知、情動などたくさんの役割を担っている。本書では、人の心の動き、精神活動についてこの多様な前頭葉のはたらきという点から解説を試み、人の心のあり方を俯瞰する。
・多様なリズムではたらく前頭葉は指揮者のいないオーケストラ?
・「事物を考える」のと「人物を考える」のは前頭葉の違う場所?
・前頭葉では身体とのコミュニケーションが情動として構成される?
・多様で動的な環境とのやり取りが前頭葉のはたらきを進化させた?