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電磁気学の重要性は論を俟たない。力学とならんで、物理の根本的な役割を担っていると同時に、エネルギーやエレクトロニクスといった現代社会を支える技術の基盤ともなっている。
本書では、電磁気学において物理学と数学がどのように絡み合っているのかを理解することを目標とし、物理学、幾何学、解析学という三つの視点から、ベクトル場、カレント、時空、メトリックといった概念が、それぞれの視点からどのようにテーマ化されるのかを説明していく。最初に、電磁気学の基礎的な理論を説明し、またその記述のために必要な最低限の数学を準備する。次に、とりあえず用意した諸概念を、微分幾何学の枠組みで見直すことで、より深い意味を明らかにする。最後に、方程式を「解く」という目的に重心をおいて議論し、解析学のなかでも幾何学と密接なつながりのある理論を説明する。
様々な電磁現象を理解し応用するという目的のもとに、数学の諸概念の実践的な意味を理解することで、物理と数学の強いつなが