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図学は図法幾何学とも呼ばれ、「ものづくり」に必要な技術として古くは理工系の教養科目として幅広い分野に提供されていたが、近年では工学部の建築系、機械系、情報系などを中心とした分野への提供となっている。「ものづくり」に必要な技術であった時代には、図学はもっぱら手描きで行うものであり、3次元の立体形状を2次元の平面上に表現したり平面上で分析したりすることが中心だった。ところが、1980年代後半からコンピューターを用いた情報図学が図学教育に導入されると、必ずしも最終成果物が立体の「もの」である必要はなくなり、平面のCG画像が最終成果物となるようにもなった。しかし、2000年代以降、3Dプリンターや折り紙技術を使ったすぐれた造形手法が提案され、図学は「ものづくり」に必要不可欠な技術として再認識されている。
本書はこれらの背景をふまえ、手描き図学と情報図学のバランスを考慮したテキストである。平面と立体に関する十分な知識を身につけたうえで、平面と立体の間を相互に行き来できる技術を学べるような内容となっている。