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本書は、パブリックヘルス活動のための情報学に関する日本初の書籍である。米国のCDC (Center of Disease Control) では、パブリックヘルスアプローチとして問題の発見、原因の特定、介入の選択、社会実装の4 段階を提唱し、その実現のためのCore Sciences をpreventive effectiveness(予防効果)、epidemiology(疫学)、laboratory(検査学)、surveillance(サーベイランス)、informatics(情報学)としている。特に情報学を、パブリックヘルス活動を迅速かつ効果的に行うために必要不可欠な学問と位置づけている。そのため米国には教科書に類するものやCDC の専用ホームページがあり、米国主要大学では公共健康情報学講座の開設とともに学部から大学院教育の充実が図られている。一方日本では、公共健康情報学を専門とする講座や教科書が現状では存在しない。そこで、公共健康情報学への理解が少しでも深まることを目的として、筆者の10 年間の講義内容と米国の教科書等を参考に、国内の状況もできるだけ加味して本書はまとめられた。