サーストン万華鏡 ―人と数学の未来を見つめて―

小島 定吉 編, 藤原 耕ニ 編, 秋山 茂樹 著, 阿原 一志 著, 春日 真人 著, 小島 定吉 著, 相馬 輝彦 著, 広中 えり子 著, 藤原 耕二 著, 山田 澄生 著

3,080円(税込)

共立出版

ポアンカレ予想を超えた数学者が見た景色とは

 ウィリアム・サーストン(1946-2012年)は、幾何学に大きな足跡を残した数学者である。1982年に3次元多様体の研究に対する貢献でフィールズ賞を受賞し、(ポアンカレ予想を含む)幾何化予想を提唱したことでも知られている。
 サーストンは生前、幾何化予想を万華鏡にたとえた。色を8種類の幾何構造、細片を多様体のピース、鏡映模様を幾何学的ピースに分解された3次元多様体に。万華鏡を一振りするたびに新しい多様体が生まれる。
 サーストンはその独特の感性で、どのような数学を描いたのか。そして、数学の理解と伝承の困難さに向き合ったとき、数学の進展についてどのような示唆を与えたか。
 豪華な著訳者陣が、多様な角度からサーストンの数学観を紐解く。そこには、人の心理と切り離すことのできない数学の営みが、鮮やかに浮かび上がるだろう。