季刊 刑事弁護110号(2022,summer)

季刊 刑事弁護編集部 編

2,200円(税込)

現代人文社

[特集1]高裁破棄事例で考える責任能力弁護
正しい責任能力判断のために―本特集の趣旨●坂根真也
「誤判」原因から見る弁護活動のポイント●田岡直博
事例2:精神障害の症状である「妄想」の解釈について判断が分かれた事例●片山裕之
事例3:一審が前提とした精神鑑定の信用性を争い控訴審で心神喪失が認められた事例●菅野 亮
事例4:控訴審で覚醒剤精神病の影響で心神喪失により無罪とされた事例●伊藤荘二郎
事例5:妄想性障害に起因する心神耗弱を認定して一審判決を破棄した事例●村中貴之
事例6:控訴審で職権で鑑定が行われ、原判決を破棄して完全責任能力を肯定した事例●我妻路人
事例7:一審が否定した弁護側医師の意見が採用され逆転無罪となった事例●山本 衛
事例8:鑑定意見に対する誤解等の指摘が奏功した死刑判決破棄の事例●原 琢己/佐藤健太
事例9:完全責任能力と判断した原判決が破棄され、妄想性障害による限定責任能力が認められた事例●高山 巌
事例10:心神喪失無罪の判決を破棄し、心神耗弱有罪の判断を示した事例●北村勇樹
事例11:完全責任能力を肯定した一審判決を破棄し、心神喪失の疑いがあるとして無罪とした事例●濱田隆弘
事例12:控訴審において統合失調症により責任能力が否定された事例●末次茂雄
座談会:責任能力をめぐる裁判員裁判に法曹三者と精神科医はどのように取り組むべきか●菅野 亮/村山浩昭/五十嵐禎人/坂根真也

[特集2]少年法改正と実務
改正少年法で家裁実務はどう変わるのか●村中貴之
事例1:事後強盗事件●石野百合子
事例2:強盗事件(当初から強盗目的、共犯)●岩本憲武
事例3:強制性交等事件●村中貴之
事例4:特殊詐欺事件●安西 敦

[特集3]最近の刑事施設関連判例の検討
本特集の趣旨●本庄 武
最高裁令和1年8月9日判決●相澤育郎
最高裁平成31年3月18日判決●大谷彬矩
最高裁平成30年10月25日判決●石田侑矢

この弁護士に聞く(40):贄田健二郎 インタビュアー:芝崎勇介/加地裕武

[論文]
大阪母子殺人放火事件の最判説示と論理学・統計学●石塚章夫

[刑事弁護レポート]
一問一答方式による黙秘+積極的な証拠収集により嫌疑不十分となった事例●中村明彦/高平奇恵
情状事件に真剣に取り組む大切さ●関口速人
福祉との協働により再度の執行猶予を取得した事案●坪内清久
被告人に正当防衛が成立するとの合理的な疑いが残るとして無罪となった事例●伊達高志郎

[連載]
刑弁人情酒場(7):家族の分断と成長―人質司法の一断面 ●水谷恭史
日々の刑事弁護の実践例から理論を考える(13):「司法」面接時の被害者供述状況の録音・録画記録の取調べ●芦葉 甫/田淵浩二
裁判員裁判事例研究シリーズ――スタッフ弁護士の実践から(30):被害者2名の殺人で行為責任についてのケースセオリーが受け容れられ、大幅に減軽された事例●加藤 梓/岩本憲武
検証刑事裁判(12):控訴審において実況見分調書の信用性が否定された事例 趙 誠峰
桜丘だより(78):自由な証明●櫻井光政
科学的な裁判のための法医学ガイダンス(12):法医学からみた「下山事件」の真相(1)●本田克也
法律家のための犯罪学入門(48):社会的絆理論と日本の治安―家族人質社会●浜井浩一
法律実務家のための心理学入門(19):生理・行動データによる判定技術は有効か?●若林宏輔

[コラム]
新人弁護士日記:依頼者の1日を諦めない●開原早紀
実務に役立つ論文紹介(29)●南川 学
ブック・レビュー:木谷明著『違法捜査と冤罪』●田中 拓