自衛権の系譜 ― 戦間期の多様化と軌跡

西嶋美智子 著

6,380円(税込)

信山社出版株式会社

◆国連憲章制定前の自衛権の有り様は解明されたのか? ― 19世紀から太平洋戦争までの自衛権史◆
  
国連憲章制定前の自衛権の有り様は解明されたのか?その歴史的系譜を考証。19世紀の自己保存権は行使対象が私人に限られず(第Ⅰ部)、戦争の違法化で新たな自衛権概念が誕生したが、不戦条約上の自衛権の範囲には様々な解釈があったとする(第Ⅱ部)。この多様な自衛権観は1940年代まで存在し(第Ⅲ部)、憲章以前の自衛権が多様な以上、現在の自衛権解釈は第二次大戦後の実行によるしかないと結論づける(終章)。堅実な検討による労作。