ジャパニメーションの成熟と喪失: 宮崎駿とその子どもたち

杉田 俊介 著

1,980円(税込)

大月書店

転換点たる「もののけ姫」以降、時代の困難と「大人」としての責任を作品の中で問い続けた宮崎駿。その「子ども」としての新海誠、庵野秀明、細田守ら新世代の作家の作品群を横断的に批評し、現代日本における「成熟」を問う。

☆推薦=中島岳志(政治学者、『「リベラル保守」宣言』ほか)
成長とは何か。それは手を汚し、人間の醜さと向き合う過程に他ならない。
理想的クライマックスなど来ないことを知り、人は無力に直面する。
しかし、その時私たちに光が差し込み、世界を抱きしめる。
生きるということは、与えることではない。受け取ることだ。
歴史の器となり、ささやかな日常を丁寧に生きる時、奇跡の手触りがやって来る。
安易な希望もなく、安易な絶望もない中、私たちはもがき続けながら、成熟する。
江藤淳『成熟と喪失』を刷新する意欲作。