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仏教の思想を体系的にまとめた『アビダルマコーシャ』(倶舎論)のエッセンスを抽出し,「難しいけど面白い」仏教的世界観を紹介した『仏教は宇宙をどう見たか』が文庫版で再登場.超越者の存在や奇跡などの超常的現象を考慮しない,原因と結果の関係で展開する機械的宇宙.そこに示される物質,精神,エネルギー,時間,因果則などの概念とはいかなるものなのか.現代科学に通じるようで全く異なる世界観を提示し,仏教と科学の類似と相違を探った心躍る知的冒険の書.
<目次>
序.『倶舎論』への誘い
1.仏教の物質論――法と極微
2.仏教がとらえる内的世界――心・心所
3.仏教の時間論――諸行無常と業
4.仏教のエネルギー概念――心不相応行法
5.総合的に見た因果の法則――六因と五果
終.分類によって変わる世界の見方――五蘊、十二処、十八界