戦争と軍隊の政治社会史

吉田 裕 編

4,950円(税込)

大月書店

近代日本のみならず現代においても、人びとの「いのち」と暮らしに大きな影をおとす戦争と軍隊、そして天皇制。兵士や地域民衆、また君主制のあり方という視点から、社会と政治の関係を問い直し、戦争と軍隊をめぐる東アジア史へと視界をひらく。

【主な目次】
序章 現代歴史学と私たちの課題(大串潤児)
第1部 身体と記憶の兵士論
第1章  国府台陸軍病院における「公病」患者たち――昭和一四年度・一八年度における「精神分裂病」患者の恩給策定状況(中村江里)
第2章 戦傷/戦病の差異に見る「傷痍軍人」(松田英里)
第3章 日本兵たちの「慰安所」--回想録に見る現場(平井和子)
第4章 新中国で戦犯となった日本人の加害認識--供述書と回想録との落差を通じて(張宏波)

第2部 軍隊・戦争をめぐる政治文化の諸相
第5章 軍隊と紙芝居(大串潤児)
第6章 南次郎総督と新体制(金奉湜)
第7章 講和後の基地反対運動――長野県・有明における自衛隊演習地化問題(松田圭介)
第8章 戦後地域社会の軍事化と自治体・基地労働者(森脇孝広)
第9章 メディア言説における韓国の対日認識と歴史教科書問題(李宣定)

第3部 天皇制の政治社会史
第10章 東條英機内閣期における戦争指導と御前会議(森茂樹)
第11章 昭和戦時期の皇室財政―制度と実態(加藤祐介)
第12章 国会開会式と天皇―帝国憲法と日本国憲法の連続と断絶(瀬畑源)
終章 戦後歴史学と軍事史研究(吉田裕)