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ケアを貶める政治を越えて、ケアに満ちた世界へ。
コロナ禍は、ケア実践やケア労働の重要性と、それを疎かにしてきた社会のあり方をあらわにした。ケアの概念を手がかりに、家族、コミュニティ、国家、経済、そして世界と地球環境の危機を解明し、ケアを中心に据えた対案を構想する。
【主な目次】
序章 ケアを顧みないことの支配
第1章 ケアに満ちた政治
第2章 ケアに満ちた親族関係
第3章 ケアに満ちたコミュニティ
第4章 ケアに満ちた国家
第5章 ケアに満ちた経済
第6章 世界へのケア
訳者解説(岡野八代、冨岡 薫、武田宏子)
【著者】
ケア・コレクティヴ(The Care Collective)
ケアをめぐる世界的な危機に取り組むことを目的に、2017年にロンドンで活動を開始した研究者・活動家グループ。本書の著者は、アンドレアス・ハジダキス(消費研究者)、ジェイミー・ハキーム(メディア研究者)、ジョー・リトラー(社会学者)、キャサリン・ロッテンバーグ(北米研究者)、リン・シーガル(心理学者)の5人。
【訳者】
岡野八代(おかの・やよ)
1967年生まれ。同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は西洋政治思想史・現代政治理論。著書に『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)、『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』(白澤社、2020年)ほか。
冨岡 薫(とみおか・かおる)
1993年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻後期博士課程。国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター生命倫理・医事法研究部特任研究員。専攻はケアの倫理と生命倫理・研究倫理。論文に「ケアの倫理における「依存」概念の射程――「自立」との対立を超えて」(『エティカ』第13号、2020年)。
武田宏子(たけだ・ひろこ)
1968年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科教授。専攻は政治社会学。著書にThe Political Economy of Reproduction in Japan: Between Nation-State and Everyday Life(Routledge、2005年)、The Routledge Handbook of Contemporary Japan(共編著、Routledge、 2021年)ほか。