ロマ民族の起源と言語

金子 マーティン 著

1,760円(税込)

解放出版社

世界各地で差別と排斥の対象でありつづけるロマ民族(俗称「ジプシー」)の人びとの故郷を、ヨーハン・リュディガーはインドであることを比較言語学の知見から1777年に突き止めた。それに対抗するかのように1980年代に入ってからロマを自称する人びとのインド起源を疑問視し、当事者が嫌悪する「ジプシー」などの他称を使う研究者がヨーロッパで出現した。それが当事者不在である日本においても流布される現状から、リュディガーが実証したロマ民族の「インド起源説」の正当性の解説と、非インド起源説論の差別性をするどく批判する。