安彦良和 マイ・バック・ページズ

安彦良和 著, 石井誠 著

2,420円(税込)

太田出版

アニメ『機動戦士ガンダム』『クラッシャージョウ』『巨神ゴーグ』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』、漫画『アリオン』『虹色のトロツキー』『天の血脈』『乾と巽-ザバイカル戦記-』などで知られる、漫画家・アニメーターである安彦良和。そんな安彦良和が過去に過去に手掛けてきた「全仕事」を30時間を超える超ロングインタビューで語り下ろした、これぞ永久保存版。

雑誌『CONTINUE』(太田出版)Vol.54(2018年7月)~Vol.62(2019年11月)に掲載された同名連載を元に、聞き手を務めた石井誠が執筆を担当。安彦良和の「マイ・バック・ページズ=歩んできた長き道のり」、その軌跡のすべてを此処に――。

「長い取材という意味では、今まで受けた取材の中で、これが一番長かった。こんなことまで聞かれるの? という部分も含めて丹念に聞いていただけたので、こちらも随分思い出せるところがありました」(安彦良和/本文より)

表紙:安彦良和(描き下ろしイラスト)

まえがき:石井 誠

Ⅰ.漫画家への憧れとアニメーターへの道
影響を受けたふたりの漫画家
上京、そしてアニメーターへ
虫プロの倒産と創映社との出会い

Ⅱ.『機動戦士ガンダム』とアニメーターとしての隆盛
『宇宙戦艦ヤマト』への参加と西崎義展との出会い
人気アニメーターとして認められた『勇者ライディーン』と『超電磁ロボ コン・バトラーV』
念願の原作者デビューとなった『わんぱく大昔クムクム』
『ろぼっ子ビートン』、『火事と子馬』迷走していた時期の作品たち
『機動戦士ガンダム』の始動とアニメ業界の変化
急病による『ガンダム』の制作からの離脱
念願の漫画家デビューとなった『アリオン』
やり残しの思いをぶつけた、劇場版『機動戦士ガンダム』
初監督作品『クラッシャージョウ』始動

Ⅲ.アニメ界の潮流の変化とアニメからの引き際
自由な作品となるはずだった『巨神ゴーグ』
後ろ向きな気持ちしか無かった劇場版『アリオン』
漫画家としての新たな試みを行った『クルドの星』
本格的な引退を意識した『ヴイナス戦記』の始動
初の原作付き作品のアニメ化となった『風と木の詩』
自社制作で挑んだ劇場版『ヴイナス戦記』での苦悩
『ヴイナス戦記』の“封印”の真実

Ⅳ.漫画家、小説家としての新たなるスタート
スポーツ漫画に挑戦した未完作『Cコート』
ライトノベル小説への挑戦と離脱
幻となったOVA『蒼い人の伝説 ルウは風の中で』
小説家として描いた作品への思い
専業漫画家への第一歩となった『ナムジ 大國主』
『虹色のトロツキー』から始まった、もうひとつのライフワーク
大作の狭間に描かれた『安東 ANTON』と『三河物語』
アニメ業界から退いたからこそできたこと

Ⅴ.キリスト教を題材とした西洋史とオールカラー作品への挑戦
英雄的活躍の裏の妖しさに惹かれたジャンヌ・ダルクという題材
しっかりとしたテーマ性を持ってイエス・キリストを描く
エンターテインメント性を重視したオールカラーコミックス『マラヤ』
ローマ帝国の暴君から現代的なテーマを読み取る『我が名はネロ』
俯瞰すると見える西洋史シリーズの繋がり

Ⅵ.漫画家としての新たなステップへ
自由民権運動への流れを描く近代史シリーズ『王道の狗』
ご当地ものと時事性を重ねた『韃靼タイフーン』
古事記をテーマにした3つ目の作品『蚤の王』
最後の西洋史シリーズ『アレクサンドロス』

Ⅶ.再び“ガンダム”と向き合った『THE ORIGIN』への道のり
苦々しい思いで関わった、ふたつのガンダム作品
最初は断っていた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の執筆
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で変えたかった要素とは?
厚みを増し、さらなる解釈が加わって描かれるキャラクターたち
作品のテーマは「人はわかりあえない」

Ⅷ.古代史、近代史、時代劇での新たなる挑戦
天草四郎と隠れキリシタンを題材とした『麗島夢譚』
古代史シリーズと近代史シリーズが交錯する『天の血脈』
古代史のメジャーな英雄「ヤマトタケル」を描く挑戦
狭間に描かれた、『勝海舟』、『チェ・ゲバラ』、『箱馬橇』という3つの短編

Ⅸ.アニメーションの現場への帰還、最後の長期連載
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ化にかけた思い
抜けていた“大正時代”を埋める作品、『乾と巽-ザバイカル戦記-』
今まで、そしてこれからの仕事との距離感

漫画:南蛮西遊記序章(オールカラー24ページ/初単行本化)

あとがき:安彦良和