『農業と経済』2020年12月臨時増刊号(vol.86 No.11)ポストコロナ時代の日本農業―何がどう変わる/世界的変動の先を見通す

農業と経済編集委員会 監修

農業と経済

農業と経済 2020年12月臨時増刊号(vol.86 No.11) 1700円+税

特集:ポストコロナ時代の日本農業―何がどう変わる/世界的変動の先を見通す

新型コロナのもたらしたパンデミックは、徐々にフェーズが移り変わり、ポストコロナ社会を見越した動きもはじまっている。コロナ危機の影響と農や食にかかわる人びとの対応を振り返り、将来の社会構築のために必要な糸口を探る。

 第Ⅰ部 コロナ危機のインパクト
1 ポストコロナの世界――いまこそグリーン・リカバリーへ 湯本貴和
2 感染症が21世紀を生きる人類に問うていること――産業社会の「質」の転換が求められている 兵藤友博
3 コロナ危機の現代的意味とアフターコロナ時代の展望――生命・自然観の変革とSDGs・農業への期待 古沢広祐
4 危機時のリスク・コミュニケーションのあり方 吉川肇子

 第Ⅱ部 日本農業、食・フードシステムへの影響と対応
1 新型コロナウイルスのパンデミックはフードシステムにどのような影響をもたらしたか 小池恒男
2 コロナリスクで顕在化したフードシステムの問題点――急性疾患・慢性疾患・生活習慣 三石誠司
3 コロナ禍による食品流通の変容と展望――パラダイム・シフトの妥当性について 木立真直
4 酪農乳業における新型コロナウイルスの影響 小田志保
5 コロナ禍とフードサービス――《中食》巨大ビジネス誕生の可能性と展望 横川 潤
6 新型コロナウイルス感染症が家計消費に及ぼす影響 草苅 仁

 第Ⅲ部 コロナ・リスクにどう対応したか
1 コロナが加速させる農業経営の変容――地縁郷働とグリーン・リカバリー戦略 佛田利弘
2 一家族農家の新型コロナ経験――ポストコロナ時代の農業の方向性を照射する 松平尚也
3 外国人労働者問題と他産業からの転職受入れ 石田一喜
4 東日本大震災とコロナ禍以降の新たな変革への模索――「食」と「農」の見直し、異業種連携、新たな人びとの参入の視点から 大友和佳子
5 食べるものがない人たち――フードストレージを利用しているのは「誰」か 森 哲平
【コラム】 ポケットマルシェで生まれる生産者と消費者の物語――コロナ禍で紡がれた共感の輪 高橋博之
【コラム】 COVID-19の生活協同組合への影響と対応 鈴木 岳

 第Ⅳ部 ポストコロナ時代の日本農業――世界動向と日本の未来
1 ポストコロナ社会と農村の課題 小田切徳美
2 均質化する食と自然の境界をどう再生するか――農と食のマネジメント 吉川成美
3 市民的食農システムの可能性――欧米諸国の経験からポストコロナ時代を展望する 久野秀二

■表紙の絵「わきたちて」 大森梨紗子 画