人口尺度論 居住環境の人間尺度

戸沼 幸市 著

2,640円(税込)

彰国社

人間は身体尺度を軸として、居住環境をつくり続けてきた。そのうえで、人間人体の集合である「人口」は、人間の居住環境の組立てに直接関与している。人間は絶えず一定の集団として現れ、居住環境は人口を枠付けし、社会集団として成り立たせる器であるが、逆に言えば人口の規模や密度が、居住環境の質に影響を及ぼす。人工世界の巨大や過密は、ときに非人間的で、人間尺度のみではつかめないが、「人口」を仔細にみることで居住環境の設定や維持に人間的規律があることが読みとれる。人口の社会的な尺度を本書は論じている。