ハーリー・クィンの事件簿

アガサ・クリスティ 著, 山田順子 訳

東京創元社

過剰なほどの興味をもって他者の人生を眺めて過ごしてきた老人、サタスウェイト。彼はある屋敷のパーティで不穏な気配を感じとる。過去に起きた自殺事件の謎、来客のなかのある夫婦のあいだに張り詰める緊張の糸。その夜屋敷を訪れた奇妙な人物ハーリー・クィンにヒントをもらったサタスウェイトは、鋭い観察眼で謎を解きはじめる。クリスティならではの人間描写が光る12編。解説=杉江松恋