絵草紙屋善右衛門─乱菊小袖の女

越後屋 著

418円(税込)

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反物のこの柄の艶やかさと品の良さに打ち勝つには、着る側の女にもそれ相応の華と品が無くてはならない──紀州屋の頼みは、この反物を纏った女を描いて欲しいというものだった。昨今、市中で人気の危な絵に載せて評判を取ろうという目論見だ。気高く、見目麗しい武家の奥方、お兼に標的は絞られた。お兼は人気役者の藤次郎と料亭の奥座敷で密会を重ねている。そこへ、踏み込み、性感地獄に落とす──「奥方さま、素直におなりなさい」男たちの執拗な責めに、気丈に処していた妻女も、ついに随喜の吐息を漏らし始め……乱菊模様の粋な小袖を着こなす美人を、阿波屋、寒山、東斎が、華やかな艶本に仕立てる、傑作時代官能シリーズ第二弾!!

【著者略歴】
越後屋(えちごや) ─ 2005年、『夜の飼育』で第三回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞し、作家デビュー。男くさい主人公やハードボイルドな作風の一方で、繊細な若者の感情を描いた作品なども得意とする。