試し読み あいちトリエンナーレ「展示中止」事件

岡本有佳 編, アライ=ヒロユキ 編

web岩波(たねをまく)

検閲は、内面化されたとき完成する――検閲によって消された作品を集めた「表現の不自由展・その後」は、芸術展の一環をなす企画展でしたが、「慰安婦」を象徴する少女像や昭和天皇の写真が燃える映像作品に対し、政治家の発言、電凸をはじめとする抗議、脅迫が寄せられ、開催後3日で中止に追い込まれました。
海外作家13名、日本人作家2名が展示ボイコットで抗議する中、文化庁は助成金の全額不交付を発表。
不自由展の実行委員会は仮処分申請などで闘い、ついに会期終了前の1週間、抽選や撮影禁止などの条件付きながら再開に至りました。
公権力と結託した「人びとのヘイト」からどう表現を守るのか。
当事者による事態の詳細な記録とともに、様々な論点から日本社会そのものの不自由さを炙り出します。

ここでは、本書のなかから、

はじめに――「表現の不自由展・その後」という扉……アライ=ヒロユキ
座談会 つくり手をなめる社会は衰退の道を行く……アライ=ヒロユキ/武田砂鉄/常見陽平

を試し読みしていただけます。