米国におけるAIを活用した糖尿病処方薬選択支援システムの開発/株式会社日立製作所[全4頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

糖尿病をはじめとする生活習慣病の増加は、国内外で大きな課題となっている。われわれは、2008年度から開始されたメタボリックシンドローム該当者およびその予備群に保健指導を実施する特定保健指導のための生活習慣改善プログラムの開発、英国NHS(National Halth Service)と共同で、マンチェスター地区における糖尿病予防サービスの実証プロジェクトの推進などに取組んできた。米国においても、糖尿病患者数は3,000万人を超え、大きな社会問題となっている。
糖尿病の診療は、患者の生活環境、服薬の状況、血糖コントロールの状況、低血糖リスクの考慮など、さまざまな状況を考慮した上で適切な治療選択が必要である。しかしながら、糖尿病専門医の数は限られており、非専門医により糖尿病患者の診療が行われることも数多い。近年、米国では、新しい保険償還方式、Valuebased Payment(以下、VBP)の導入が進められている。これは、心疾患患者の再入院率や糖尿病患者の血糖コントロール状況など、あらかじめ定められた医療の質にかかわる評価指標に従って、保険会社から病院や医師への支払額を増減させる方式である。VBPに対応するため、米国の医療機関は、糖尿病治療の更なる質の向上が求められている。このような背景の下、われわれは、米国において先進的な診療支援システムの開発に取り組んでいる米国ユタ大学と共同で、米国における非専門医が行う糖尿病診療の支援を目的に、技術開発を開始している。今回、AIを活用して2型糖尿病患者に適切な治療薬選択を支援するシステムを開発したので紹介する。