3次元医用画像向け深層学習データ 生成支援ツール「Growth RTV」/イーグロース株式会社[全7頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

深層学習(ディープラーニング)の登場によって第3次AIブームが到来し、医療現場でも医療従事者の負担軽減や医療ミス抑制のため、AIを利用した診断・治療・業務支援が期待されている。とりわけ高齢化社会ではがん撲滅が国民的課題となっており、がん治療の中でも高精度化や4次元治療が進みつつある放射線治療は低侵襲であることから、深層学習技術も応用した活発的な研究開発が期待されている。たとえば、放射線治療を実施する上
で、治療計画時にCT画像上で病変と周辺臓器の輪郭を入力していく膨大かつ煩雑な作業が生じており、専門医の入力負担を軽減するため、深層学習による臓器抽出するアプローチが研究されているおり、そのAIの訓練には放射線治療を実施している施設内で蓄積された放射線治療計画データ(DICOMRT)は大変有用であると考えられている。DICOMRTは、CT/MRI等の医用画像で一般的に採用されているDICOM規格を拡張し、臓器や腫瘍等の関心領域の輪郭情報や、照射情報、線量情報を格納可能な規格である。主に放射線治療部門のみに扱われてきたため、取り扱うための専用知識が必要であり、研究開発用支援ツールもほとんどないことから、これを用いて研究を実施する際には下記の問題点があった。
①DICOM-RTデータからタグ、画像情報を抽出するフリーソフトウェアも提供されているが、抽出タグを解析して画像情報や輪郭情報を3次元最構成するにはDICOM-RT規格の前提知識が必要で、簡便に行える手段が確
立されていない。
②一部の放射線治療向け製品ではMATLAB言語等と連携したデータ抽出機能を提供しているが、ライセンス価格が高価(500万~2 ,000万円以上)なため、研究実施する際に大きなハードルとなっており、資金が潤沢な研究施設のみに限定される。また、解析機能を提供した製品であっても、組み込み機能であるため、研究者側が簡便に解析手法の変更や追加ができない。
③ 国内で放射線治療計画データ向けソフトウェアエンジンをもつ企業はごく少数であるため、データ抽出・加工するための製品カスタマイズ依頼は容易でなく、加工コストも高い。