地理 2019年7月号

古今書院地理編集部 編

1,324円(税込)

古今書院

特集:崩れる火山 過去に学び次に備える◆2018年12月インドネシアのアナク・クラカタウ島でおきた山体崩壊とそれに伴う津波で甚大な災害が発生した。日本でも過去に山体崩壊をした火山はいくつもあり、いずれも多くの被害が出ている。しかし、カルデラ噴火と同様、低頻度大規模災害である山体崩壊は、現在の地域防災計画や避難計画にほとんど想定されていない。そこで過去の火山の山体崩壊による災害を見直し、次の災害にどう備えるのか?

【目次】
★特集:崩れる火山 過去に学び次に備える
崩れる火山にどう向き合うか 吉本充宏
アナク・クラカタウ島でおきた山体崩壊と津波 前野 深
磐梯山の山体崩壊から何を学び考えるか 吉田英嗣
浅間山の山体崩壊と土石なだれ 早川由紀夫
富士山の山体崩壊─想定外の災害にしないために 小山真人
日本最大の火山災害から学ぶべきこと─雲仙火山の寛政噴火─ 大野希一

★寄稿
熊本地震から3年 池田 碩
熊沢蕃山の幾世紀を超えた先見性
 ─岡山市、旭川・百間川にみる低水思想 若狭 勝
東京一極集中は日本を救うだろうか 森川 洋
地理学の研究と文明論─安田喜憲著『文明の精神』に寄せて 元木 靖
2019年度科学地理オリンピック日本選手権
 ─二次・三次選抜試験の特徴と選抜方法・強化策の見直し─ 泉 貴久・大谷誠一

★連載
地形分類図 作成の課題と防災活用 8
 地すべり地を対象とした地形分類からわかること・わからないこと 佐々木夏来
新シルクロード紀行 河西回廊を往く 2
 世界の八大奇跡・兵馬俑 中家惠二・今村遼平ほか
地図で何を教えるか 4
 「人口増減率」の分布図から人口移動を考える 糸井剛志

★書架
『宅地崩壊』(釜井俊孝著) 青山雅史
『鎌倉資本主義』(柳澤大輔著) 荒井正剛
『「不法」なる空間にいきる』(本岡拓哉著) 荒又美陽
『大阪 都市の記憶を掘り起こす』(加藤政洋著) 筒井一伸
『図説 渥美半島地形・地質とくらし』(藤城信幸著) 中村洋介
『生活文化の地理学』(小口千明・清水克志編) 山下亜紀郎
『アイヌ人物誌 新版』(松浦武四郎原著) 戸祭由美夫