季刊 刑事弁護98号(2019,summer)

季刊刑事弁護編集部 編

2,000円(税込)

現代人文社

[特集]勾留を争う――全勾留準抗告運動と勾留判断における考慮事情
特集の趣旨●緑 大輔
被疑者の不必要な身体拘束に対する全件不服申立運動の意義、成果、展望●長沼正敏
各地の取組み――大阪 勾留阻止(準抗告)の申立強化運動●藤原 航
各地の取組み――京都 全件準抗告申立運動、継続します!●遠山大輔
各地の取組み――九州 九州一斉!! 準抗告等運動!!●松本浩幸
勾留における「罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由」●緑 大輔
黙秘・否認と罪証隠滅●石田倫識
勾留の判断における前科・前歴等被疑者の属性の考慮●高平奇恵

[単発論文]
再審請求中の死刑執行●田鎖麻衣子
自白させるための虚偽鑑定―さらに見つかった和歌山カレーヒ素事件の鑑定不正●河合 潤 
裁判員裁判における責任能力判断の変化(4・完)―判決一覧表の分析●田岡直博
再度目逆送決定の違法性(下)―大阪ピンポン事件をめぐる議論を受けて●正木祐史
段階的量刑の実際(下)―無銭飲食等詐欺を題材に●安西二郎

[刑事弁護レポート]
外国人事件で取調べにおける通訳上の問題と文化の違いが争点となった事例●石田優一
第三者の存在の可能性を否定できず無罪となった事例●大井 琢
「カメラ室」の裁量権逸脱を認めた判決●板井俊介/コメント:山口直也

[少年事件レポート]
裁判員裁判で関わった元少年に対する出所後の就労支援●知名健太郎定信

[連載]
刑事弁護クリニック(9) 瞬発力を身につけよう コメンテーター:村井宏彰
日々の刑事弁護の実践例から理論を考える(2) 採尿目的での留め置きの違法と証拠の不排除―両腕を抱えての長距離連行、強制と任意の限界、重大違法と単純違法の限界●秋田真志/渕野貴生
検証刑事裁判(3) 被害者の特徴的な行動を考慮せず、不合理な論拠で供述信用性を判断した事例●虫本良和
最新刑事判例を読む(8) 最一判平30・5・10 平成29年(あ)第882号 邸宅侵入、公然わいせつ被告事件●久保田共偉/松倉治代
家裁調査官の要保護性判断の経験則(2) 家裁調査官は非行をどう見るか●廣田邦義/伊藤由紀夫/安西 敦
科学的な裁判のための法医学ガイダンス(1) 法医学とは何か●本田克也
法律実務家のための心理学入門(8) 市民の犯罪不安とリスク認知の心理学●若林宏輔 
行政文書を刑事弁護に活用する(9) 司法行政文書(下)●山本了宣
法律家のための犯罪学入門(37) イタリアの少年司法制度と実務●浜井浩一
桜丘だより(67) 死んじゃえ●櫻井光政
アメリカン・プラクティス(3) アメリカの公設刑事弁護人●川﨑拓也

[刑事弁護ニュース]
「冤罪犠牲者の会」の発足●桜井昌司
第16回季刊刑事弁護新人賞授賞式●編集部

[コラム]
新人弁護士日記 売春防止法違反事件の弁護を終えて●竹口真輔

[ブック・レビュー]
科学的証拠に関する刑事弁護研究会編『刑事弁護人のための科学的証拠入門』●水沼直樹
吉間慎一郎著『更生支援における「協働モデル」の実現に向けた試論―再犯防止をやめれば再犯は減る』●中田雅久
パウル・ヨハン・アンゼルム・フォイエルバッハ著/福井厚訳『陪審制度論』 関口和徳

実務に役立つ論文紹介(20)●南川 学

この弁護士に聞く●竹内明美 インタビュアー:奥田真帆