第七官界彷徨

のぞゑのぶひさ 著, 尾崎翠 原作

太田出版

「人間の第七官にひびくような詩」を書きたいと願っている赤いちぢれ毛の娘と、精神科医の長兄、肥料を研究している学生の次兄、音楽受験生の従兄弟の四人が、一つ屋根の下で暮らす生活。苔が恋愛をしたり、部屋にはこやしを調合して煮る臭いが漂ってきたり、名付けようのない感覚の世界――。時代を超えて常に新しい尾崎翠の代表作を、第三六回日本漫画家協会賞大賞&第一一回手塚治虫文化賞新生賞という奇跡のW受賞作家、のぞゑのぶひさが漫画として書き下ろした渾身の作!! 豪華装丁、オールカラー!!

「小説を未読の方にとっても、『いったい原作はどんな話なんだろう』と興味を引くつくりだし、小説のすごさを知っているものにとっても、『なるほどなあ』と納得したり、『おお、このシーンが視覚化されるとは』と喜んだりできて、大満足の作品だ。小説家と漫画家の幸福な出会いが、この一冊に詰まっている」と三浦しをんさん大絶賛。

解説:三浦しをん 人と作品:近藤裕子(東京女子大学准教授)