全身用半導体SPECT/CTの可能性-Discovery NM/CT 670 CZTの使用経験-/山根登茂彦(埼玉医科大学病院 核医学診療科)ほか[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

核医学で従来から使用されているアンガー型カメラでは、放射線の検出にシンチレーション検出器を用いている。入射したガンマ線がヨウ化ナトリウム(NaI)などのシンチレータで光に変わり、光電子増倍管によって増幅され電気信号に変換される。 アンガー型カメラは、核医学において半世紀以上の歴史を誇る。画像処理技術が近年著しく進歩し、以前より鮮明な核医学画像が得られるようになってきた。しかしエネルギー分解能および空間分解能の点で、アンガー型カメラでは画質向上に限界があると考えられる。
半導体検出器は、シンチレータを介さずガンマ線を直接電気信号に変換する。これを用いることでエネルギー分解能、空間分解能が向上するため、核医学のブレイクスルーとなりうる手法として注目されている。
埼玉医科大学病院では、半導体検出器が搭載された世界初となる全身用SPECT/CTを導入し、臨床使用を開始した。本稿では、その使用経験や今後の半導体SPECT/CTに対する将来性について述べる。