今こそ求められる、高画質Cardiac Imaging/GEヘルスケア・ジャパン株式会社[全6頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

日本循環器学会による循環器疾患診療実態調査(2016年度実施・公表)によれば、2016年度の冠動脈CT検査件数は440 ,525件となっており、5年前の2012年度の360 ,311件と比較しても22%増加している。また、最も古い2004年の27 ,131件という結果と比較すると、この十数年で急速に普及していることが改めて確認できる。今や心臓CTは大学病院や専門病院だけではなく一般的な病院の検査として普及しつつあるのが現状であり、心臓CTは形態診断の領域で重要な役割を担っている。また、冠動脈疾患におけるインターベンション治療の適応ガイドラインによれば、PCIの適応として有意狭窄の診断とともに心筋虚血を診断することが求められているが、これらの心機能診断においてはCT以外のモダリティが大きな役割を担ってきた。長い歴史の中で積み重ねた多数のエビデンスをもつ心筋シンチグラフィに加え、近年ではシネMRI、パーフュージョンMRI、遅延造影MRIが、壁運動、心筋血流、心筋線維化の評価において確たる地位を築いており、CTで行う心筋パーフュージョンや遅延造影についても研究が進んできている。さらには冠血流予備能比(FFR)による心臓インターベンションの決定がなされるようになり、冠動脈CTの画像から数値流体力学を利用してFFRを計算するFFR-CTが非常に注目されており、今後の普及が待たれるところである。このように、形態診断、機能診断において重要な役割を果たす心臓CTであるが、その元画像の画質の良し悪しが解析結果に影響を及ぼすことを忘れてはならない。たとえば、FFR-CTにおいては、画像のアーチファクトなどの元データがFFR-CTの精度に影響を及ぼす因子であることが報告されており、心筋パーフュージョンにおいては、ビームハードニングの影響で心筋部分に擬陽性を生じる可能性があることが報告されている。本稿では、改めて初心に立ち返り、心臓CTの根本的な画質について述べていきたい。