心臓CTによる心筋評価―冠動脈CTから心臓CTへのparadigm shift―/富澤信夫ほか[全6頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

 CT撮影技術の進歩により冠動脈CTは広く普及する検査となり、冠動脈疾患のリスクが中程度の患者に対し有効であるとされている1)。有意狭窄の診断能はカテーテル検査と比較して100%に近い感度と90%程度の特異度を有し、循環器診療において欠かせない検査となっている。一方で、冠動脈治療は虚血の有無に基づいて治療することの重要性が提唱されている2)。心筋の虚血診断では核医学検査やMR perfusion検査が使用されているが、CT perfusion(CTP)検査でも同様に診断できることが示されつつある。また、MRIの遅延造影と同様に、CTでも遅延造影を撮影することで、梗塞や線維化の程度を診断できることも報告されている。このように、心筋の診断が重要性を増すなか、冠動脈だけでなく、心筋評価も含めた心臓CTは循環器診療において有効な検査法であるといえる。そこで、本稿では心臓CTを用いた心筋評価の現状と将来の展望について記述する。