IQon Spectral CTにおける心筋遅延造影の新たな可能性/佐々木康二ほか[全6頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

心筋遅延造影とは心筋線維化や梗塞心筋における障害心筋の性状評価のために行われ、病勢や予後予測などに有用な検査である。心筋梗塞、拡張型心筋症、肥大型心筋症、心サルコイドーシス、心アミロイドーシス等において、細胞外液腔が相対的に増加するため、正常心筋との造影剤分布の差から障害心筋を同定することが可能である。診断する方法としてMRIを用いた心筋遅延造影法(Late Gadolinium Enhancement:LGE)がこれまではgoldstandardとして用いられてきた。近年、CTを用いた心筋遅延造影法(Late Iodine Enhancement:LIE)
も使用されているが、X線被ばく、Contrast-NoiseRatioや使用造影剤量などの観点でMRIを超える優位性に乏しかった。ただしDual Energy CT技術の登場によりCT心筋遅延造影法も変わりつつあり、今回われわれはDual Energy CT技術であるPHILIPS社製IQon spectral CTにおける心筋遅延造影検査を経験したので報告する。