季刊刑事弁護93号(2018,spring)

季刊刑事弁護編集部 編

2,000円(税込)

現代人文社

[特集1]精神鑑定をめぐる最近の動向—「7つの着眼点」と「8ステップ」を検証する
本特集の趣旨 田岡直博
裁判所の責任能力判断と検察官・弁護人の訴訟活動の在り方 稗田雅洋
責任能力判断の構造—8ステップモデルの基本解説 岡田幸之
責任能力の基礎—8ステップ、7つの着眼点との関係を中心に 久保有希子
刑事責任能力と精神医学—原点に還る 中谷陽二
裁判員裁判における責任能力判断の変化—判決一覧表の分析 田岡直博
責任能力が問題となった事件の判決一覧表(2017年11月末日現在)
【事例1 東京高判平28・5・11】
[報告] 控訴審で心神喪失・無罪とされた事例 菅野 亮
[コメント] 複雑な精神病理をどのように読み解くか 中谷陽二
【事例2 千葉地判平28・12・20】
[報告] 心神喪失により無罪となった殺人既遂事件 中井淳一
[コメント] 幻覚・妄想だけが統合失調症の症状ではない 五十嵐禎人
【事例3 奈良地判平28・11・30】
[報告] 大うつ病性障害による心神喪失として無罪となった事件 皐月宏彰
[コメント] 重度うつ病における精神病状態の判定と責任能力 紙野晃人
【座談会】検証「8ステップ」—法曹と精神科医の役割分担を考える 岡田幸之/清野憲一/菅野 亮/田口寿子/稗田雅洋/田岡直博
弁護活動の視点—座談会を踏まえた若干の検討 菅野 亮

[特集2]刑事弁護の観点からみた井戸田理論—追悼・井戸田侃先生
生きている井戸田刑事訴訟法—特集解題 辻本典央
井戸田捜査法理論の現代的意義—訴訟的構造論と近年の議論との関係を中心に 斎藤 司
井戸田「公訴権濫用論」について 松宮孝明
迅速な裁判の要請 笹倉香奈

[単発]
少年法の年齢引下げの歴史的水脈 斉藤豊治
強制わいせつと痴漢行為との区別について 嘉門 優
【座談会】供述心理分析の現状と課題 水谷規男/浜田寿美男/大橋靖史/徳永 光/遠山大輔

決定!第15回季刊刑事弁護新人賞
[最優秀賞]介護殺人未遂事件—不起訴処分と家族の再生 池田真理子
[優秀賞]「学び」を活かして得た逆転無罪判決 市川耕士
[優秀賞]夫の供述の信用性を弾劾して得た無罪判決—弁護士になって最初の刑事事件 大沼卓朗

[刑事弁護レポート]強制わいせつ致傷の成立を争った結果、条例違反と傷害の併合罪となった事案 川上博之
[付添人レポート]頚部圧迫による窒息死かどうかが争点となり無罪となった事例 牧田 史

[連載]
行政文書を刑事弁護に活用する(6) 拘置所の行政文書を活用する 山本了宣
桜丘だより(62) 軽度精神遅滞 櫻井光政 172
刑事弁護人として独立しました(5) お金の流れは明快に—刑事弁護事務所の会計事情 中原潤一
意外と使える国際準則(3) 通訳・翻訳を付してもらう 浦城知子
裁判員裁判事例研究シリーズ—スタッフ弁護士の実践から(19) 病的酩酊との精神鑑定に全面的に依拠して心神喪失を主張する 法テラス本部裁判員裁判弁護技術研究室
法律実務家のための心理学入門(3) 目撃証言と心理学 若林宏輔
最新刑事判例を読む(6) 最一小決平27・10・16平成27年(あ)第1105号 傷害被告事件 戸舘圭之/福島 至

この弁護士に聞く 高山俊吉 インタビュアー:趙 誠峰

[刑事弁護ニュース]
逮捕段階からの国費弁護の実現を! しかしそれが最終目的ではない—第14回国選弁護シンポジウム 豊島健司

[コラム]
シネマガイド リンカーン弁護士 加藤英一郎
新人弁護士日記 刑事弁護と環境調整 横関侑平
弁護士過疎地でガンバル 泡盛と刑事弁護 大城雅喜

[文献紹介]
実務に役立つ論文紹介  南川 学
ブック・レビュー 川英明著『刑事司法改革と刑事訴訟法学の課題』 小坂井久
ブック・レビュー 佐伯昌彦著『犯罪被害者の司法参加と量刑』 鈴木一郎