PiRADS v2による前立腺がん検出の現状/髙橋 哲[全4頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

Prostate Imaging-Reporting and Data System(PI-RADS)のversion 2がESUR/ACRから提唱されて2年が経過した。評価法における大きな変更点は、以前のversion1と比べ造影ダイナミック撮像の位置づけを低下させ、T2強調画像と拡散強調画像を中心とした評価としたこと、さらに前立腺の領域により優先シークエンスを分け、辺縁領域では拡散強調画像を、移行領域ではT2強調画像所見を優先して評価するとしたことにある。PI-RADSにおいて目的としているのは、すべての「前立腺がん」の検出ではなく、「臨床的に意義のある前立腺がん(clinically signifi cant prostate cancer)」を検出することである。臨床的に意義のある癌の定義は難しく議論もあるが、PI-RADS v2においてはGleasonスコア7以上、あるいは0.5mL以上、前立腺外へ進展するような病変の検出を目的とし、患者の生命予後には影響しない病変に対する過剰な治療を避けるために、むしろ検出しないことを目指すものである。本講演ではPI-RADS v2の臨床的に意義のあるがんの診断能がどの程度であるか文献的なレビューを紹介する。なお提示する症例は神戸大学の症例であることをお断りしておく。