高周波プローブによる乳腺超音波検査基本手技/何森亜由美[全5頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

さまざまなモダリティで診断技術が進歩しているなか、乳房超音波診断装置も、高周波成分を使用したプローブの臨床応用が実現化している。最近の乳腺超音波の高周波プローブは、およそ4~18 MHzの広帯域周波数を使用するものが増えてきた。また各メーカ独自の画像処理技術の進歩により、乳腺でよく使用される深度2cm程度であれば、観察したい領域全体でぼやけ感のない画像が得られるようになってきている。さらに24 MHzの超高周波を使用したプローブも乳腺領域で使用可能となっている。距離分解能とコントラスト分解能の向上は、乳房の詳細な正常構造の表現を可能にし、これまで組織像を思い浮かべながら迷っていた鑑別診断も容易に判別できてしまうことも多くなってきた。さらに血流イメージングは、より低流速の信号をつながりのある画像で可視化することが簡便に可能になり、Bモードによる診断の確認や裏付けとして有用なレベルになってきている。技術進歩により鮮明に見えてきた乳房正常解剖理解に基づいたスキャン法の考え方と方法については、昨年の本誌Breast Imagingの新展開「乳腺超音波検査におけるルーチンワーク」でポイントを述べているが、本稿ではさらに高周波プローブを用いた乳房正常構造の観察法について、より初心者にわかりやすく述べてみたい。