乳房専用PET装置『Elmammo(エルマンモ)』の 臨床的有用性と課題/佐藤葉子[全5頁]

映像情報メディカル編集部

500円(税込)

産業開発機構株式会社

乳房専用PETは全身PET/CTに比べてはるかに病変検出能が高いことが知られている。乳房専用PETは病変部と検出器の距離が近く空間分解能が高いため、3~4 mmの小さな乳がんの検出が可能である。当クリニックは2015年3月に、前身の甲府脳神経外科病院PETセンターに乳房専用PETを導入し、本年5月に山梨大学敷地内に移転した。機器選定についてはまず、先行して市販されていたpositron emission mammography(PEM)を検討した。これは、対向型の乳房専用PETで、マンモグラフィのように2枚の検出器で乳房を挟んで撮像する。被検者は専用の椅子に腰掛け、マンモグラフィ同様、通常MLOとCCの2方向撮像を行う。その後、2014年8月に、島津製作所製のリング型乳房専用PET、Elmammoが薬事承認された。これはベッド型の装置で被検者は腹臥位に
なり、検出器を備えたベッド面のホールに乳房を片方ずつ入れて撮像する。撮像時間が左右それぞれ5分程度と短いことや、ポジショニングの簡便さなどから、当院はElmammoを導入した。導入から2年7ヵ月の経験から見えてきた、乳房専用PETの有用性と課題について考察する。