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花の色や香りが恐竜の生態系をも動かしたなど、花が地球上に現れてから現在に至るまでの、思いもよらない花の香りの不思議な側面を垣間見ることができる一冊です。目に見える花の色とは違い、香りの分子は見えないこともあり、その世界を理解することは容易ではありませN。 本書は、著者らの工夫によりおぼろげながらも香りが見えるような気にさせてくれます。それは、花の香りが生まれ、解き放たれるまでの精緻な仕組みが、著者らの研究室から、少しずつ解き明かされる様子がユーモアを込めて詳細に紹介されているからです。 花の香りを自在にコントロールできる時代の鼓動を感じられる今だからこそ、香りに関心を持つ方々はもちろん、生命の不思議な営みや、分子の振る舞いに関心を持っている次代を担う学生や若き研究者にもぜひ手にとっていただきたい一冊です。