『農業と経済』2017年3月臨時増刊号(vol.83 No.2)

「農業と経済」編集委員会

農業と経済

特集◇ここまで来たバイオ経済・生命操作技術――私たちはどう向き合うか

大きな可能性を秘めるこの新技術は、同時にとりかえしのつかないリスクも感じさせる。急速に実用化が開けた生命操作技術に、どう向き合うべきか!?

総 論 バイオ経済・生命操作は農業と市民社会に何をもたらすか 古沢広祐

Ⅰ バイオ経済はどこへ向かうのか―農・食分野における現状とこれから

1 バイオ技術をめぐる新たな潮流――ゲノム編集技術をめぐる期待と規制 立川雅司
2 バイオエコノミーで推進するサステナブルな農林水産業 荒蒔康一郎・坂元雄二
3 進展する現実と社会の選択――遺伝子組換えが導く可能性 三石誠司
4 広範囲に広がる遺伝子組換え動物のいまとこれから――動物における遺伝子組換えの量的・質的転換について 瀬筒秀樹
5 遺伝子組換え時代の、農民による品種育成・種子生産の実態と意義 西川芳昭
6 バイオメジャーはどこへ向かうか――業界再編のメカニズム 大塚善樹
【コラム】遺伝子組換えカイコが伝統地場産業を救う――前橋遺伝子組換えカイコ飼育組合の挑戦 岡野俊彦

Ⅱ 遺伝子組換えをとりまく世界の最新動向と反応の鈍い日本

1 遺伝子組換え作物の正当化言説とその批判的検証 久野秀二
2 アメリカの遺伝子組換え表示義務化運動 安田美絵
3 急拡大する南米地域の遺伝子組換え作物栽培と抵抗運動 印鑰智哉
4 遺伝子組換え作物の貿易と日本の輸入 河田昌東
5 日本の消費者運動と遺伝子組換え作物 加藤好一
6 農家は遺伝子組換え技術に興味をもっているのか? 冨吉満之

Ⅲ バイオ経済と生命操作技術の将来を見通す視座

1 遺伝子組換え技術の到達点――開発の歴史を振り返る 並河良一
2 EUにおける遺伝子組換えの現在とメガFTA――共存政策、TTIP交渉を中心に 山川俊和
3 ゲノム編集技術と作物生産 大澤 良
4 ゲノム編集を経た農産物の社会受容性を問う 石井哲也
5 ゲノム編集技術ブームと産業化への胎動 山口富子
6 アグロエコロジーは遺伝子関連技術のオルタナティブになりうるか――小農運動とアグロエコロジー 受田宏之
7 バイオ経済・生命操作技術と農民的主体性 池上甲一
【コラム】合成生物学の現状 花井泰三
【コラム】合成生物学をめぐる国際的議論 白井洋一