可能なる革命

大澤真幸

太田出版

「〈革命〉とは、このように、不可能だったことを可能にするような変化を、社会運動によってもたらすことを指す。」

私たちは、資本主義の本質的な限界を予感しているのに、その外についての想像力をもてずにいる。しかし、若者の幸福度調査、投票行動、デモへの参加などに読み取れるものは何か。『テルマエ・ロマエ』『桐島、部活やめるってよ』『半沢直樹』『あまちゃん』、そして『バートルビー』が示唆するものは何か。

無意識のうちに変化を、しかも劇的な変化を(その意味で革命を)私たちは求めている。であれば、私たちは、ユートピア(資本のネットワークをこえる普遍的な連帯)を構想できなくてはならない。

社会の夢読みとして、変化・解放・革命の可能性の根を探る14編の論考。多岐にわたる自身の探究の連関と展望を語る終章「革命を待つ動物たち」など、『atプラス』連載に20,000字の書き下ろしを加えた。