いま、抗暴のときに

辺見庸

800円(税込)

鉄筆

辺見庸・初の電子書籍! 逆走する世界に抗いつづけるための論考・エッセイ集「抵抗三部作」の第二作。
2003年3月20日、米英軍によるイラクへの侵略戦争が開始された。イラクによる大量破壊兵器製造の可能性をなじり、大量破壊兵器をどの国よりも大量に保有、製造する米軍が、大量の精密破壊兵器を駆使して一方的な殺戮を展開する。この途方もない不合理と絶対暴力に呑みこまれる世界、付き従うコイズミ、どこまでも追認するメディア……。組織や思想の基軸のすべてがシャッフルされた「いま」こそ、組織性を剝いだまったくの個として、「個の魂」の主体性や自発性を優先的に考え、「個の戦線」に戻るべきだと説く。
「戦争構造はいま、まっとうな声を蹴散らしてますます膨らみつつある。(中略)いまほど戦争という絶対暴力に抗わなければならないときはない。だから、抗暴の発想を私はいつまでも撤回しない。」(「あとがき」より)
『サンデー毎日』連載「反時代のパンセ」他に加筆・訂正し2003年5月毎日新聞社より四六判刊行、2005年8月講談社文庫より刊行。

1 大量殺戮を前にして
2 イラク攻撃をやめろ
3 いま、抗暴のときに
4 語ること/抗うこと/日常という仮装
5 歴史と公正
6 わが友/恥/反革命/闇とアナムネーシス/魚と思想/二層風景/金属片
7 いま、敵はだれか、敵とはなにか――暴力、メディア、「個の戦線」
あとがき