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女性が大学に進学し、社会進出を遂げた現代。しかし、大学に在籍することさえ許されなかった時代があった。彼女たちが知識と職業を求めて、自らの道を切り開いていった軌跡を比較社会史の視点から明らかにする。日本、イギリス、ロシア、フランス、スイスなど、多領域を扱う。
※2008年6月刊行『女性と高等教育-――機会拡張と社会的相克』の電子版です。
目次
序 章 「女性と高等教育」――比較教育社会史の構築をめざして
第I部 グローバル化、トランスナショナリズムと女子教育
第1章 女性に、世界に開かれる――スイスの大学における女性の進出と国際化、1870~1930年
(ナターリア・ティコノフ/前田更子 訳)
第2章 津田梅子の広報戦略――「スクラップブック」にみるトランスナショナルな発信の技法
(高橋裕子)
第3章 女子高等教育の植民地的展開――私立台北女子高等学院を中心に
(洪 郁如)
第II部 女性の高等教育へのアクセスとその周辺
第4章 イギリスにおける「ミネルヴァの娘たち」の挑戦――ベドフォード・カレッジの創設と発展
(河村貞枝)
第5章 女性の高等教育機会と大学門戸開放をめぐる攻防――帝制最末期ロシアの「女子自由聴講生」と社会運動
(橋本伸也)
第6章 ラテン語の障壁を乗り越えて――第三共和政期フランスにおける女子高等教育
(上垣 豊)
第7章 伝統的規範から脱却した新中間層の女性たち――戦前期日本における女子高等教育拡大のメカニズム
(佐々木啓子)
第III部 「母性主義」のポリティクス
第8章 英国国教会とその娘たちのために――レディ・マーガレット・ホールという試み
(山口みどり)
第9章 「女性のプロフェッション」としての医業と医学教育――ロンドン女子医学校の教育戦略
(香川せつ子)
第10章 「母性礼讚」の国を支えた若き女性教養市民層――ナチス時代の女子学生と「新しい女性運動」
(田村栄子)
第11章 短期大学の女子教育機関化――1950年代の日本における短期大学をめぐる議論
(小山静子)