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■イエスの生涯をトピックごとにわかりやすく解説
イエス・キリストは短い期間に、何かを言い、何かを行い、そして処刑されて人の世を去った。イエスの名は急速に忘れられ、消え去って不思議ではなかったのに、なぜイエスの名はこれほどにまで残ったのか。
「誕生」「闘争」「最後の晩餐」「裁判」「十字架」「復活」など、イエスの生涯の重要トピックごとに、山本七平がキリスト教をやさしく解説します。
・イエスが生まれ育った当時の社会がどのようなものだったか、
・イエスは何と闘ったのか、イエスにとってパリサイ人とは何だったのか。
・イエスはなぜ、どのように処刑されたのか。
・そして、なぜ「復活」がなければキリスト教はあり得なかったのか。
【目次】
第1章 イエスとの邂逅
イエスが生まれるまでの“前史”を振り返る。
第2章 イエスの聖誕
イエスはどのような幼少期を過ごしたのか、どのような教育(職業/宗教)を受けたのか。イエスが生きた当時の社会はどのようなものだったのか。
第3章 イエスの登場
イエス登場前夜、ユダヤ社会に起きていた大きな変化と2つの事件とは。
第4章 悪魔の揺曳
サタンとは何か? その定義は「人間とは何か」に似ていて、結局は『聖書』に求めざるを得ない。
第5章 イエスの闘争
彼らが重んじた厳しい戒律を、イエスは破り、パリサイ人と衝突した。イエスにとって、パリサイ人とは何だったのか。
第6章 終末への宴
『共観福音書』や『ヨハネに依る福音書』など、書物によって「最後の晩餐」の時間の記述が矛盾するのはなぜか。
第7章 イエスの裁判
なぜイエスへの裁判記録はわからないことばかりなのか。東京裁判との意外な共通点とは。
第8章 十字架
いかにイエスは処刑されたのか。その詳細を検証する。
第9章 復活
なぜパウロはこうも復活を強調したのか。なぜ「復活」がなければキリスト教はあり得なかったと言われるのか。一体「復活」とは何だったのかを、ユダヤ戦争の指導者ベン・ヤイールの言葉と対比から考える。
【著者略歴】
山本七平(やまもと・しちへい)
評論家。ベストセラー『日本人とユダヤ人』を始め、「日本人論」に関して大きな影響を読書界に与えている。1921年生まれ。1942年青山学院高商部卒。砲兵少尉としてマニラで戦い補虜となる。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。1970年『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。日本文化と社会を批判的に分析していく独自の論考は「山本学」と称され、日本文化論の基本文献としていまなお広く読まれている。1991年没(69歳)。