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「悪魔の兵器」と呼ばれ、民間人を大量虐殺してきたナパーム弾の歴史が暴く戦争の本質。
第二次世界大戦中、アメリカ政府主導による極秘プロジェクトの一環としてナパームは誕生した。
高い殺傷力を持ち、広範囲を焼き尽くすこのゲル状焼夷弾によって、東京大空襲では一夜の犠牲者数として史上最多を記録した。
アメリカに数々の勝利をもたらしたナパームの名声は、やがてヴェトナム戦争によって地に堕ち、残忍性の象徴となる……。
世界中から憎悪された「悪魔の兵器」の誕生から終焉までを克明に追い、その知られざる歴史を通して戦争の本質を問いかける注目のノンフィクション。
本書ではナパームの出自とその“生い立ち"が克明に描かれる。
事実を丹念に丁寧に追いながら、ナパームという兵器を通して、戦争とは何か、という大きなテーマが見え隠れする。
戦争という怪物が読者それぞれの眼にそれぞれの形で見えてくる出色のノンフィクションだ。
(本書「訳者あとがき」より抜粋)