映画界の徹底研究

篠田博之/月刊「創」編集部

200円(税込)

(有)創出版

毎年恒例の『創』7月号の映画特集だが、公開予定の作品をただ紹介するだけのレポートでなく、映画界の構造的問題に踏み込むのが特徴。例えば大作を手掛けてきた東宝の中に映像事業部という部署があり、そこが業務を拡大しつつある現状。2014年にヒットした「闇金ウシジマくんPart2」は、この映像事業部扱いで独自の展開を行った。また従来は地味でビジネスとしては厳しいと言われてきたドキュメンタリー映画に新しい動きが見られ、「ある精肉店のはなし」「標的の村」など次々とヒットが生まれている背景を探った。映画業界の二極分化は依然として続いているが、その中で現状がどう変わりつつあるかを追った。それもただ作品を紹介するだけでなく、「標的の村」の三上智恵監督は、昨年、映画があれだけヒットしたにもかかわらず、琉球朝日放送を辞めざるをえなくなったのはなぜなのかなど、踏み込んだ取材を行っている。