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梶谷 懐
日中の安全保障上の緊張と、いま復活しつつある脱近代の思想「アジア主義」は無縁でない!
グローバル資本主義にかえて「脱近代による救済」を訴え、「八紘一宇」や「帝国の復権」が露出する時代に、社会の息苦しさの原因を「外部」に求めない思想と行動の探究。
現代中国経済研究の俊英が、日中・東アジアの現在と未来を語った渾身の論考。
「現在の東アジア情勢において、近代的な価値観の多元性を前提とした問題解決を図ることこそ最重要の課題。しかし、これまで日本が取ってきた「一国近代主義」の限界が次第に露呈しつつあるのと共に、領土問題をはじめとした問題の解決が思うように図れず、一種の膠着状態に陥っているように思います。」(本文より)
【目次】
序論 「近代」の限界と暴力にどう向き合うか
第一章 烏坎村と重慶のあいだ──「一般意志」と公共性をめぐる考察
第二章 左派と右派のあいだ──毛沢東はなぜ死な(ね)ないのか
第三章 「国家」と「民間」のあいだ──国家資本主義・格差・イノベーション
第四章 日本と中国のあいだ──「近代性」をめぐる考察
あとがき
参考文献